もののけ姫に登場する「タタラ場」と「ハンセン病」
「タタラ場って何をする場所なの?」
「なんでタタラ場に一人も子供がいないの?」
「包帯を巻いてる人とハンセン病の関係は?」
などの疑問があると思います。
そこで今回は「タタラ場」とは何をする場所なのか、どんな人たちがいるのか、ハンセン病との関係はあるのかを解説します。
目次
【もののけ姫】タタラ場とは?
タタラ場は製鉄をする場所です。小さな集落や村といったところです。
そこで働き生活している多くの人々は変わり者ばかりです。
タタラ場にはどんな人たちがいるのか、簡単にまとめてみました。
タタラ場にいる人たち
・石火矢衆
石火矢を使い、もののけと闘う傭兵集団
師匠連という謎の組織の配下にある
エボシ御前が指揮をとっている
・牛飼い
牧畜、荷駄を担っている
タタラ場に食料や生活用品を運搬する
運搬中に山犬に襲われるため犠牲者が多い
・タタラ者
タタラ者で働く製鉄集団
黒装束に身を包んでいる
昼夜問わず鉄を作り続けている
・タタラを踏む女性
もともと売られる身の女性たちばかり
多くの女性がタタラを踏み、鉄を作っている
本来ならタタラ場は女人禁制のはず
・包帯を巻いた病人
鉄を使って石火矢を作っている
全身に包帯を巻いているので何らかの病気
病気のせいで人々から迫害を受けてきた
タタラ場には今まで売り身だった女性や病気で迫害にあってきた人もいます。
ではなぜこのような人々がタタラ場に多くいるのでしょう。
そして、差別や迫害を受けずに不自由なく生活出来ているのでしょうか。
それはエボシ御前というタタラ場を仕切る女性がこのような社会的弱者を温かく受け入れ人間として生きる社会を与えてくれたからなのです。
そんなエボシ御前とはどのような人なのでしょうか。
エボシ御前とは?
タタラ場のトップとして多くの人々を導いている存在です。
性格は極めて冷静で非常に頭の切れる人です。
敵に対しては容赦せず、目的のためなら仲間をも切り捨てるようです。
しかし、自身が身売りにあった経験があるため、身売りにあっている女性や病気で迫害を受けている人々にかつての自分を重ね、同じような境遇の女性や苦しむ人々に手を差し伸べる人情あふれる人でもあります。
売られた女性たちを買い取り、本来女人禁制であるタタラ場で仕事を与えたり、病気で迫害を受けている人々に手を差し伸べ仕事を与えていることからタタラ場の人たちからは敬われ慕われています。
エボシ御前はすべての人々が平等に暮らせる社会を目指していることが分かります。
タタラ場の人々には良き影響を与えるも、森林伐採や川の汚染などで森の動物や地侍から恨みを買うことから見方によっては悪人に見られるようなこともあります。
タタラ場に子どもがいないのはなぜ?
タタラ場には夫婦もカップルもいるはずなのに子供が一人も登場しないんです。
その理由として
・当時、鉄は貴重だったので製鉄所であるタタラ場は真っ先に狙われる 可能性があるため子供を安心して育てられる場所ではなかった
・タタラ場は成立して間もない開拓村であり森の動物たちとの闘いに備 えていたため子供を育てる余裕がない
(開拓村とは成立して5年~10年程しか立ってない村)
・子供や老人など働けない人を村に受け入れるほどの余裕がない
が上げられます。
というような考察が出来るのですが、この子供がいない理由は宮崎駿監督が明かしています。
それは「タタラ場は成立して間もない村だからまだ子供が産まれていないだけ。いずれ子供は産まれてくる。今はその時期ではないだけ。」ということらしいです。
それと「書く時間がなかった。子供を出すとややこしくなる。」みたいです。
なんとも宮崎駿監督らしいシンプルな理由でしたね。
ハンセン病との関係についても
ハンセン病とは?
タタラ場で働く包帯をした人たちはハンセン病ではないかとの噂があります。
そこで、ハンセン病とはどんな病気なのかを説明します。
古くからある病気の一つで、「らい菌」という菌が皮膚や神経を侵す慢性の感染症です。
感染経路は主に鼻や口、皮膚の傷からが多いそうです。
ほとんどの人は自然の免疫を持っているため、感染力は非常に弱いです。
現在では薬があるため、完治する病気です。
しかし、昔は薬などの治療法がなかったため多くの人がハンセン病によって悩まされたと思います。
ハンセン病はそれほど危険な病気ではありません。
ですが、ハンセン病をよく知らない人たちからすると得体のしれない怖さがあるはずです。
それにより、ハンセン病に罹ってしまった人は長いこと社会から疎外された状態で生涯を過ごすことを余儀なくされていました。
タタラ場の包帯を巻いてる人はハンセン病患者なのか
タタラ場にいる包帯の人達はらい病患者ですね。病気で変形した顔や皮膚を包帯で隠してます
あの時代の彼らは文字通り人間扱いされない凄惨な差別に遭っていて、そんな彼ら唯一人間として受け入れたエボシ
しかし一方もののけからは恨まれてる pic.twitter.com/cgjhomambF
— ほまれん (@panturesuring) August 5, 2016
タタラ場の包帯をした人たちはハンセン病患者であると考えられます。
以下の理由が上げられます。
・「わしらの腐った肉を洗い、布で巻いてくれた…」というセリフから、何らかの皮膚の病気である
・病気のせいで迫害を受けてきたということは見た目に影響が出る病気であるため
・タタラ場の中でも他の人たちとは別の部屋に隔離されているようだった
そして、宮崎駿監督がハンセン病患者をモチーフにしたことを認めているので、包帯をした人たちはハンセン病患者であるということがわかりました。
もののけ姫を通してハンセン病という病気があることを知ってほしかったということでした。
まとめ
・「タタラ場」はエボシ御前によって社会的弱者やはみ出し者を受け入れている
・「ハンセン病」は皮膚の病気だが感染力は弱い
・「包帯を巻いた人」はハンセン病患者がモチーフとなっている
以上、もののけ姫「タタラ場」と「ハンセン病」についてでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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