日本人なら知らない人はいないと思われる『となりのトトロ』ですが、何度見てもつい泣いてしまう場面があります。
子どもの時に見ても泣かないだろうと思うのですが、さつきがおばあちゃんと井戸で話すところなど、大人ならきっと泣いてしまう、またはウルっとくる場面をまとめました。
目次
となりのトトロで泣ける場面
おばあちゃんとさつきが井戸で話すところ
お母さんの一時帰宅が伸びたことを知らせる電報が届いたあと、さつきが聞き分けのないメイとけんかして家に帰り、部屋に寝転んでいると、おばあちゃんが洗濯物を持ってきます。
おばあちゃんが「そんなに気を落とさんで」といって、井戸のところでお米を研ぐのですが、さつきがおばあちゃんと話している時、「お母さん、死んじゃったらどうしよう」と泣く場面があります。
今まで母親がいない寂しさを我慢してきたさつきが、おばあちゃんの前で声をあげて泣くのです。
さつきの我慢が限界になって大泣きするのですが、ここがいつも一番泣いてしまうところです。
それは、さつきに対して「今までよく我慢したね、泣いていいんだよ」と思う気持ちと、「さつきが泣けて良かった!泣かないで我慢していたら子どもでなくなってしまう」という安どの気持ちが入り混じって泣けるのです。
そのあとのおばあちゃんの言葉で、また涙が…
「こんなかわいい子たちをおいて、どこのだれが死ねっかい。」
「泣くんでね。は、泣くんでね。」
「父ちゃんが戻るまで、ばあちゃんが、いてやっから。な?」
このおばあちゃんがいて、本当に良かった、と思いました。
また、ここでさつきが泣くのを見て、メイが幼いながらに、おばあちゃんのトウモロコシでお母さんを助けよう、と決意して走り出すところも、その健気さに泣けます。
さつきが泣くシーンは後から付け加えられた
さつきが泣くシーンはもとは無かったのですが後から加えられたのだそうです。
そのエピソードは、鈴木敏夫著「仕事道楽―スタジオジブリの現場」に書いてありました。鈴木さんは当時ジブリで映画プロデューサーをしていた方です。
それによると、さつきのモデルはある意味宮崎駿監督ご自身だったようなのです。
お⺟さんがずっと病気で、長男だった監督が家族みんなのご飯を作ったりお⺟さんの代わりをしていたそうです。
あるとき鈴木さんがさつきについて、「こんなことを子どものうちから全部やってたら、サツキは⼤きくなったときに不良になりますよ」と言ったら、宮崎駿さんは「そんなことはない。自分はやっていた(が不良にならなかった)」と怒ったそうですが、後にさつきが泣くシーンの絵コンテを鈴木さんに見せたそうです。
そして、「これで サツキは不良にならないよね」と言ったそうです。素敵なエピソードですね。
また、エンディングのさつきは友達に交じって子どもらしい様子をしています。これは母親が帰ってきて、無理する必要がなくなったので、普通の子どもに戻ったのでしょう。
もう、トトロに会うこともなくなったのでしょうが、ふと何かの時に思い出すのかもしれないですね。
他にも感動するシーンが
さつきとメイがけんかをするシーン
先ほどの、さつきが泣くシーンのちょっと前にさつきとメイがけんかをするシーンがあります。
お母さんの一時帰宅が伸びたことを知らせる電報が届き、さつきがカンタの本家に電話を借りに行ってお父さんと話すのですが、その帰り道に聞き分けのないメイを思わずどなってしまうのです。
サツキ: メイ。お母さんの体の具合が悪いんだって。
サツキ: だから今度、帰ってくるの延ばすって。
メイ: やだーっ!
サツキ: しかたないじゃない。ムリして病気が重くなったら困るでしょ。
メイ: やだーっ!
サツキ: ねっ。ちょっと延ばすだけだから…
メイ: やだー!
サツキ: じゃ、お母さんが死んじゃってもいいのね。
メイ: やぁだー!
サツキ: メイのバカ!もう知らない!
サツキ、走り去る。
カンタ: (メイにむかって)行こうよ。
メイ: ウワーン。お姉ちゃんのバカァー!
聞き分けのないメイに、余裕のなくなったさつきが本音でぶつかるところです。
ここでさつきの張りつめた気持ちが一気に崩れて、メイに怒鳴るのですが、この場面で本音が出たので、そのあとのシーンで泣くことが自然にできたのでしょう。
この場面を子どもが見た反応を載せている動画がありました。
この子はメイに同化してメイと一緒に「やー!」と言っていますが、メイが泣き出すと「よしよし」しています。
かわいいですね。こんなに小さくても登場人物の気持ちに寄り添えるんだと感心しました。
さつきが行方不明になったメイを探すシーン
お母さんにトウモロコシを食べさせようと、病院に向かって行方不明になったメイを、さつきはトトロの助けを借りて探し出します。
トトロの胸の上に降り立ったさつきが、トトロに、
「お願い。メイを捜して。今頃、きっとどこかで泣いてるわ」
「どうしたらいいか、わからないの…」
と言って泣くところも、幼い妹を思う姉の気持ちに感動します。
その後トトロがさつきをそっと捕まえて抱いて飛び、山の上でネコバスを呼ぶのです。
さつきがネコバスに乗って、「木がよけてる!」のところは、これでメイに会えるかと思い、安堵でまた涙が…
メイに会った時の会話。
サツキ: メーイ
メイ: ハッ。おねえちゃーん。おねえちゃーん
サツキ: メーイ
サツキ: メイ
メイ」 おねえちゃーん
サツキ: バカメイ
メイ: ごめんなさーい
サツキ: トウモロコシを、お母さんに届ける気だったの?
「バカメイ」と言いながら、「トウモロコシを、お母さんに届ける気だったの?」と聞いています。
メイなりに考えての行動だったことをさつきはきちんと分かっているのですね。
◆「となりのトトロ」海外で驚かれるシーンとは? ↓
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まとめ
今回は、映画『となりのトトロ』で泣けるシーンについてまとめてみました。
本当に何度見ても飽きなくて、何度見ても泣ける不思議な映画だと思います。
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