『となりのトトロ』は夏になると観たくなる映画の代表作ですが、始めは女の一人っ子の設定で、サツキとメイの2人になったのは後からのようです。
サツキとメイのモデルはいるのでしょうか。
実は宮崎駿監督自身がさつきとめい、二人のモデルだという説があり、調べてみました。
目次
となりのトトロのサツキは一人っ子設定だった!
映画ではさつきが小6、メイが4歳となっていますが、企画段階では草壁家に子どもは女の子一人の設定だったようです。
当初の映画ポスターに、洋服など格好はサツキ、髪型はメイ、顔は二人を合わせたような女の子が傘を差してトトロと並んでいる様子が描かれています。
宮崎監督がトトロと女の子が出会う場面として、雨のバス停でとなりにトトロが立っているという場面を思いついたそうです。
当時5歳に設定されていた女の子が、一人で傘を持ってお父さんを迎えにバス停に行く、という設定に無理があったので、もう一人年長の姉を設けることにしたのだそうです。
また、昼間トトロに会う場面も同時に思い浮かんだそうで、それは映画でメイがトトロに昼間会うシーンで実現しています。
元々一人の女の子だったので、どちらも5月を意味する名前なのかもしれませんね。
また、この映画は、『火垂るの墓』と同時上映で、そちらの上映時間に合わせてもともと60分だったのを90分にするのに、姉妹を増やした、とも言われています。
↓映画ではサツキがメイをおんぶしてバスを待っていました。
サツキとメイの二人になったことで、話が大きく展開して素晴らしい作品になったと思います。
また、サツキとメイが二人合わさることで私たちの心の中にある複雑さを表しているような気もします。
どちらか一方ではなく、どちらにも感情移入できる人が多いのではないでしょうか。
サツキとメイのモデルは宮崎駿監督
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サツキのしっかりした箇所は宮崎駿監督の幼少期がモデル
サツキについて、鈴木さんの著書「仕事道楽―スタジオジブリの現場」で、宮崎駿監督自身の経験が使われていることを述べています。
鈴木さんは母親代わりとして家事などをこなすサツキに違和感を持ち、こんな風に言ったのだそうです。
「こんな子がほんとにいるわけがないじゃないですか」
「こんなことを子どものうちから全部やってたら、サツキは大きくなったときに不良になりますよ」
そうしたら、宮崎駿さんが、
「いや、こういう子はいる。 いや、いた」「おれがそうだった」
と言ったのだそうです。
お⺟さんがずっと病気で入退院を繰り返し、長男だった宮崎さんが家族みんなのご飯を作ったりお⺟さんの代わりをしていたそうです。
まさに草壁家のお母さんと長女のサツキの関係のようですね。
なので、サツキは監督の分身なのではないでしょうか。
メイは宮崎駿監督の幼少期の外見がモデル
ジブリのアニメーター、舘野仁美さんが書いた「エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ」の序文で、鈴木プロデューサーがこのように書いているのです。
同作の動画チェックをしていた舘野さんが、隣の席の人に以下の言葉を漏らした際のこと。
「メイちゃんの顔って、画面にぴったり収まるね」
その刹那の出来事だった。
「顔がでかくて悪かったなあ!」
宮さんがなぜ、声を荒げたのか? その理由について、その場に居合わせたぼくは、一瞬ですべてを理解した。でかい顔のメイちゃんのモデルは、誰あろう、宮さん本人だった。
引用:「エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ」
宮崎駿さんは普段は温厚らしいのですが、急に怒り出すことがあったようです。周りは何のことかわからずびっくりしたでしょうが、鈴木さんには監督の心の動きが分かったのですね。
それにしても、宮崎駿さんが顔の大きさを気にしているなんておかしいですね(笑)
宮崎駿の姪っこがメイのモデルという説
メイについては、宮崎さんの姪御さん、という説もあります。
宮崎さんの姪御さんと結婚したアートディレクターの堤大介さんもそう言っています。
奥様はトトロのメイちゃんに性格がそっくりなんだそうです。
宮崎さんの姪御さんは堤さんの小学校の時の初恋の人で、15歳から18年間会っていなかったのが、友だちとの飲み会で会って結婚したそうです。
なんだかすごい偶然でロマンチックですね。
小さい時に、「トウモロコシ」を言えなくて「トウモコロシ」と言っていたとか。映画のメイも「トウモコロシ」と言っていますね。
まとめ
今回は、映画『となりのトトロ』のサツキとメイのモデルが宮崎駿監督自身なのではないかという考察でした。
小説にしろ映画にしろ、主人公は作者の分身であることが多いのでしょうね。
今年の夏も『となりのトトロ』を観て過ごしたいと思います。
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