映画「風の谷のナウシカ」は、傷だらけのナウシカが王蟲たちの金色の触手で包まれて起き上がり、復活するというエンディングでした。
しかし当初宮崎駿さんは違うエンディングを考えていたようです。
こちらでは「風の谷のナウシカ」のエンディングについて見ていきたいと思います。
目次
ナウシカのエンディングは3種類の候補があった!
映画「風の谷のナウシカ」はエンディングが素晴らしくて大好きな映画ですが、実は他にもエンディングの候補があったという事です。
引用:twitter
3種類の候補についてそれぞれ見ていきましょう。
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映画のエンディングについて考察
1.ナウシカが降り立ち王蟲の暴走が止まる
もとの宮崎さんの絵コンテでは、ラストシーンは突進してくる王蟲の前にナウシカが降り立つ場面で終わっていたそうです。
それに対し、プロデューサーの高畑勲さんはそのままでは盛り上がりに欠けると考え、鈴木敏夫さんに相談し、鈴木さんはよみがえりの案に賛同したので二人で宮崎さんのところに言いに行ったそうです。
確かに最後の、王蟲の金色の触手の中でナウシカが起き上がり歩き出す印象的なシーンがなければ物足りない感じがしますね。
2.ナウシカが死んで永遠の伝説になる
高畑勲さんの案では、他に「ナウシカが死んで永遠の伝説になる」というものもあったそうです。
突進してくる王蟲の前にナウシカが降り立っても、王蟲が急に止まるのは難しいでしょうから、王蟲の集団に飲み込まれて死んでしまう、というもの。
これは一番現実的ですが、娯楽映画としては失敗でしょう。
やりきれない思いを抱えて映画館を出るのは、人々の望むところではありませんね。
このエンディングにするなら、ナウシカ亡き後の人々から希望の種が生まれる描写が必要だと思われます。
しかし、ナウシカに代わるほどの強いキャラクターがいないことから、難しいのではないでしょうか。
3.ナウシカが一旦死んだ後甦る
実際のエンディングの形。
娯楽映画としてのカタルシスが足りないと考えた高畑さんが、鈴木敏夫さんに相談し、二人で宮崎さんのところに「この形で」と言いに行ったそうです。
宮崎さんは「分かりました」と即答し、この形になったという事でした。
しかし宮崎さんは、映画を宗教的なものにしてしまったとの思いから、宿題が残った映画であると述べ、鈴木さんは宮崎さんがエンディングについてずっと後まで悩んでいた、と話しています。
個人的には最後の金色のシーンがとても印象的で素晴らしかったので、このエンディングで本当に良かったと思いました。
原作のエンディングについても
「風の谷のナウシカ」はもともと漫画の原作があり、それを映画にしたものです。
原作のエンディングはどうなっているのか見ていきたいと思います。
原作の驚くべきエンディング
原作の漫画は7巻あり、映画は2巻までの内容になっています。
原作では、映画に出てこない土鬼(ドルク)帝国という国があり、首都シュワにある「墓所」と呼ばれる施設は、内部に旧文明の技術を保存していました。
そのことを知り、「墓所」に向かったナウシカは、浄化が終わった後の戦争のない理想郷について語る「墓の主」の計画を聞きます。
ナウシカは、清浄のみを追求し一切の汚濁を認めない旧文明の計画に反発します。
「墓の主」をオーマに握り潰させて殺し、オーマの火で「墓所」を破壊するのです。
オーマとはアスベルに託された秘石によって覚醒した巨神兵で、ナウシカはその母として巨神兵をオーマと名づけたのでした。
ナウシカの選択は、「苦しみや悲しみ、そして死も人間の一部であることを受け入れ、汚濁と共に生きてゆくこと」でした。
ナウシカは全ての真実を胸の奥に秘めたまま帰還するのでした。
宮崎駿の見解
ナウシカの決断は、腐海の浄化が進むにつれ、浄化された空間では生きられない人類が滅亡することを意味します。
はたしてその決断は正しかったのか、賛否が分かれるラストになっています。
宮崎駿監督は、「人間は滅びたっていいんだ」と酒の席で言ったそうです。
人間は、世界の中の他のものと同じちっぽけな存在で、力があると勘違いして神の領域に踏み込んでしまうなら、滅びるのも致し方ない、という事でしょうか。
「いのちは闇の中のまたたく光だ」というナウシカの言葉からも、汚れた世界で時に美しい心を持つのが人間で、全くの理想的で清浄な世界は、人間の住むところではない天国のみ、という事なのだと思いました。
宮崎駿さんは、人間に絶望しているのではなく、人間は矛盾した存在だからこそ愛すべきものだ、と言っているように思えました。
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まとめ
今回は映画「風の谷のナウシカ」の3つのエンディングと、原作のエンディングについて見てきました。
どちらも素晴らしい作品ですね。
ナウシカについては、こちらの記事にも書いています ↓
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