「千と千尋の神隠し」に登場する釜爺(かまじい)。
インパクト抜群の外見の釜爺ですが、千尋(ちひろ)には厳しくも優しく接してくれる作中屈指の聖人です。
働くことの大切さを教えてくれたり、千尋の頼みを聞いてとっておきの薬湯を出してくれたり、まるで孫を可愛がるおじいちゃんのような印象を受けます。
この記事では、そんな釜爺が千尋に優しい理由を考察していきます。
釜爺の印象的なセリフである「えんがちょ」の意味についても解説してるのでお楽しみに!
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目次
釜爺が千尋に優しいのはなぜ?
釜爺とは?
釜爺は油屋のボイラー室を取り仕切り、薬湯向けの生薬調合も行っているおじいさんです。
やや尖った禿頭に黒メガネをかけていて、のびたヒゲがトレードマーク。
この顔は同じ宮崎駿作品の「ルパン三世part2 死の翼アルバトロス」に登場したロンバッハ博士や「天空の城ラピュタ」に登場したタイガーモス号機関士・モトロさんにとても似ています。
また、伸縮可能な6本の腕を持っており、昆虫のような印象を受けます。
それもそのはず、モデルは「ザトウムシ」という虫だとか。
前述の通り千尋を厳しくも優しく見守るおじいちゃんのような存在で、油屋の中で数少ない千尋の味方と言えるキャラクターです。
声優を担当されたのは菅原文太(すがわらぶんた)さん。
渋い声がかっこいいですよね。
#釜爺「あの子は千尋というのか……いいなぁ、愛の力だな」
数々の印象的なセリフを吐く釜爺の声は、#菅原文太 さんが担当しています。「愛というセリフをいやみなく言える人はこの人しかいない」という鈴木敏夫プロデューサーの推薦により決まったそうですよ!#千と千尋の神隠し #千尋 #ハク様 pic.twitter.com/ByM7sKcoOY
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 16, 2019
千尋が初めて釜爺に会った時の様子
油屋に迷い込んだ千尋とは、自身の仕事場である地下のボイラー室で初めて出会いました。
釜爺のボイラー室にある薬草箱は、江戸東京たてもの園にある「武居三省堂」にある引き出しがモデルになっています。#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/XDk8nI3oFt
— キャッスル (@castle_gtm) January 20, 2017
ボイラー室では部下のススワタリと共に、薬湯を沸かして手配する仕事をしています。
ススワタリの仕事(石炭運び)にちょっかいを出した千尋に対して「手ぇ出すならしまいまでやれ!」「気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならねえ」と仕事に対する姿勢を厳しく教えてくれました。
また、千尋を見て狼狽するリンに対して「ワシの孫だ」とバレバレの嘘で庇い湯婆婆の元へ案内するよう頼むなど、右も左もわからない千尋に対して油屋で生き抜く術を示してくれたのでした。
釜爺が千尋にやさしくなった理由
釜爺ってこのアニメで一番優しいキャラかもなー #千と千尋の神隠し pic.twitter.com/w15gYDZ9Zb
— kento (@dorrama2) August 16, 2019
釜爺が千尋に対して優しくしてくれる理由は明確には語られていません。
従って予想になってしまいますが、おそらく以下のような理由なのだと思います。
– 幼い千尋の素直な人間性を見て、助けたくなった
– 厳しい油屋の世界で生きていかねばならない千尋を放っておけなかった、見殺しにできなかった
– 孫のように感じて愛着が湧いた
出会いのシーン以外にも、眠った千尋に布団をかけてあげたり、古い乗車券をプレゼントしたりと、まるで孫に対するおじいちゃんのような優しい気遣いをしてくれる釜爺。
しかし、ただ甘やかすだけではなく、必要があれば叱り助言することで、千尋の心の成長を促す重要な役割を担っていたと思います。
えんがちょの意味についても
釜爺が言った「えんがちょ」とは?
釜爺のセリフには印象深いものが色々とありますが、その中でもユーモアを感じる一言が「えんがちょ」ではないでしょうか?
このえんがちょのシーン好きだなー#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/nrLrUOBaPT
— やこちん (@eira1121) January 20, 2017
ネット検索でも「釜爺 えんがちょ」と検索予測が出てきます。
「えんがちょ」は魔女の契約印に取り付いていた呪いの虫を千尋が踏み潰した際に出てきたセリフです。
踏み潰した後で千尋が足を上げると、べったりと黒い粘液が付いていました。
これを見た釜爺がやや食い気味に「えんがちょ! 千! えんがちょ!」と声をあげます。
そして千尋が指で作った輪を手で切る仕草をして、「切った!」と宣言。
みんな胸を撫で下ろして落ち着きを取り戻します。
突然出てくるおまじないのようなシーンに、知らない方は少し驚いたのではないでしょうか?
「えんがちょ」は関東地方を中心に、汚い物に触れた人を子どもたちがはやし立てるフレーズとして使われていました。
語源ははっきりしないのですが、「縁」を「ちょん切る」から「えんがちょ」という説もあるようです。
個人的には昭和の頃に使われていたイメージがあり、最近は実生活で聞いたことがありません。
少しレトロな雰囲気が「千と千尋の神隠し」の世界観になんとも言えず合っているように感じますね。
ちびまる子ちゃんにも出てきたえんがちょ
他の作品で言うと「ちびまる子ちゃん」にも「えんがちょ」というセリフが出てくるシーンがあります。
「ちびまる子ちゃん」は作者・さくらももこ先生の投影である小学3年生の「ちびまる子ちゃん」の日常を描いた作品です。
時代設定はさくらももこ先生が子供の頃、具体的には1974年頃に設定されています。
1974年の子どもたちは「えんがちょ」と言っていたのかもしれませんね。
まとめ
この記事では、「千と千尋の神隠し」に登場する釜爺が千尋に優しい理由を考察しました。
「千と千尋の神隠し」は釜爺をはじめとして魅力的なキャラクターが多く、不思議な世界で成長していく千尋の物語も素晴らしい、とても素敵な作品です。
多くの謎も散りばめられており、考察しがいもあります。
絶対に見て損をしない色褪せない名作なので、未視聴の方には是非見ることをおすすめします!
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