日本を代表するジブリ映画のひとつ、「もののけ姫」。
1997年に公開され、公開当時、共興収入は197億を超え日本の歴代興行収入を塗り替えるなど、宮崎駿監督映画を代表する映画です。
美しい自然や、中世の日本を描いたストーリーに、アシタカやサンなど様々な人物が出てきますが、山犬であり、サンの育ての親であるモロも魅力的なキャラクターの一人ですよね。
山犬でありながらも人語を話し、人に厳しいようでサンやアシタカなど心を許した人にはとても愛情深い、そんなモロのファンだという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなモロが作中で死んでしまった死因、最後の一瞬、首だけの生き残っていた理由について解説します。
目次
【もののけ姫】モロの君の死因は?
モロは山犬であり、サンの育ての親でもあります。
そんなモロについて詳しく紐解いていきましょう。
モロの君とは?
モロの君は山犬でありますが、シシ神の森の守護をしている、犬神という存在です。
白く大きな体に、二つの尻尾を持ち、鋭い目つきで恐ろし気な印象を与えますが、とても愛に溢れたキャラクターでもあります。
実子は二人いますが、生贄のために赤子の状態で森に捨てられたサンを殺さず、実子と差別することなく育てあげています。
しかし人間を憎んでいたために、アシタカに出会った当初は突き放すような態度を取りますが、アシタカのサンや森を思う気持ちを汲み取ってからは距離を保ちながらもサンと共にいることを許していました。
サンとモロ
モロを含んだ山犬たちや、他の種族の者たちも森を自分たちのために壊していた人間を憎んでいる様子が多々ありました。
人間が嫌いなのに、サンを育てていたのは何故?と疑問に思った人もいるでしょう。
モロが作中、サンのことを「森を犯した人間が、わが牙を逃れるために投げて寄越した赤子がサンだ。人間にもなれず、山犬にもなりきれぬ、哀れで醜いかわいいわが娘だ」とアシタカに向かって言っているシーンがあります。
ここから、人間を憎んでいても、その人間に捨てられた赤子は関係ないと、我が子としてモロはサンを大切に思い、サンもそんなモロに大切に育てられ種族を超え、固い絆で結ばれた親子関係であったと気づかされます。
エボシ御前とモロ
エボシ御前とは、アシタカが村を追われ、たどり着いた「タタラ場」という工房集落を統べている女性指導者です。
身売りされた女たちや、行く場所のないはみ出し者、また病にかかった者たちにも平等に住処や働く場所を作ってあげるなど、「タタラ場」に住む人間たちには慕われています。
人間のためにシシ神の森を開墾しようとしていたため、サンをはじめ森に住む種族の者たちはエボシ御前を嫌っています。
とくにモロは、森を守護する犬神という存在なので、森を破壊しようとするエボシ御前に恨みを持っていました。
モロの死因
モロが人間と対峙しているシーンは無かったのですが、祟り神となってしまった乙事主と対峙する場面で、
「あの女を殺すための最後の力だったのに」
と言っています。
モロは乙事主と対峙する前からもうギリギリの状態であったことが分かりますね。
祟り神となった乙事主の体から娘であるサンを助けだそうと対峙するのですが、そこにシシ神がやってきます。
やってきたシシ神によって祟りは消え、泥となってシシ神の口づけによって乙事主は死んでしまうのですが、同時にモロも倒れてしまいます。
この時点でシシ神によって命を吸われたという見方も出来ますが、乙事主と対峙する時点でギリギリの状態であったことから、力が尽きてしまったなど、モロの死因には色々な説が出ています。
モロが首だけ生き残ったのはなぜ?
作中、サンが「タタラ場」に侵入し、戦いの末に気絶した際に油断した周囲の人間たちに
「首だけになっても食らいつくのが山犬だ」
と忠告していました。
モロが死んだときの様子や、モロは首だけになってもなぜ動いたのか理由をひも解いて行きます。
モロの死んだ時の様子
モロは、祟り神になってしまった乙事主との対峙にて、シシ神によって命を吸われた乙事主とともに倒れてしまいます。
そこで亡くなったかと思ったら、
作品の終盤になってシシ神の首がとられてあたりにドロドロが出てきてしまったころ、エボシ御前に首だけになって飛び出し、エボシ御前の片腕をもぎ取ってしまいます。
エボシ御前の、
「モロめ、首だけで動きよった…」
というセリフが有名ですよね。
首だけ動いた理由
エボシ御前は、「タタラ場」にサンが襲撃し、戦いの末に倒れてしまったサンを見て、周りの人々が安心しきっていたところに
「首だけになっても喰らいつくのが山犬である」
と言っています。
モロが何故首だけで動いていたのか、作中では直接的な描写はされていませんが、山犬であるが故の本能と、それほど森を壊した人間への恨みが大きく、首だけになっても動いていたのだと思われます。
モロの声を演じたのは美輪明宏
モロの声を演じたのは、歌手でありスピリチュアル関係で活躍するタレントの美輪明宏さんです。
ジブリ作品では、「もののけ姫」のモロ以外にも、「ハウルの動く城」にて荒れ地の魔女も演じています。
美輪明宏の演技について
美輪明宏が演じたモロのセリフは印象に残るものが多くありますが、中でも
「黙れ小僧!お前がサンを救えるか」
はとても有名ですよね。
このセリフのアフレコにて、宮崎駿監督が息をのみ笑ってしまう映像が残っています。
威厳があって恐ろしさがありながら、サンを包み込むような優しい母を感じる言い方もあったり、モロを演じることの出来る唯一無二の存在であったと思われます。
『もののけ姫』を観劇。
駿監督がモロ役の美輪明宏さんに「その演技は違う。乙事主とモロの君はね、昔、恋仲だったんですよ」と言っていたのを思い出しながら観ると、モロが凄くツンデレに思えて目が啓かれました pic.twitter.com/9JB8clSchd— 游心流武術@横浜支部 (@UshinYokohama) June 29, 2020
まとめ
今回はモロの死因や、首だけで動いていた理由について考察しました。
映画「もののけ姫」は、モロの立場から物語を観てみるとまた違った見方が出来ますね。
モロは森の守護をしている犬神として、恐ろしさを感じさせながらも、その中身は育ての子であるサンを愛していた立派な母でもありました。
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