「魔女の宅急便」キキの思春期を思わせる場面まとめ!トイレに駆け込んだりお留守番のシーンも

「魔女の宅急便」は、少女の成長物語と言われています。13歳という思春期を迎えた少女が、独り立ちを試み、知らない土地で新しい出会いを重ね、スランプを乗り越えて成長する様子が描かれています。

「魔女の宅急便」キキの思春期を思わせるシーンまとめ

トイレに駆け込むシーン

おソノさんの好意でグーチョキパン屋の2階を間借りすることになったキキですが、夜が明けた朝、階段を降りてトイレに入り、出ようとしたところでオソノさんの旦那さんを見かけて、トイレから出ずにドアを閉めてしまいます。その後、旦那さんが店に入ったのを見て走って部屋に戻ります。部屋のドアを閉めたキキは息を切らしていました。

なぜキキはトイレに戻ったのか、それは、まだ慣れていない旦那さんと2人きりで何を話していいのかわからなかったため、と考えられます。また、トイレから出るのを見られたくなかったのかもしれません。

もしこれがおソノさんだったら走って駆け込んだりしないでしょう。旦那さんが不愛想でとっつきにくい感じなのもありますが、男性であることも関係していると思います。

パン屋でつまらなそうな顔をしながら留守番をするシーン

お客さんが誰も来ずに「ひまね~」と呟いているシーン。

店の外では若い男性がバイクに乗っていて、女性が来て後ろに相乗りして通り過ぎるのが見えます。

「このまま ず~っと お客さんが来なくて、おばあさんになるまで毎日毎日ま~いにちホットケーキが続いたらどうしよう」

このつぶやきがキキの先の見えない不安を表していますが、思春期の焦りのようなものも感じます。

服のことを気にするキキ

コリコの町に住むことを決めて、買い物に行く途中、同年代の少女たちを見かけてつぶやきます。

「もっとステキな服ならよかった 」 

トンボにパーティーに誘われたことをおソノに報告するシーンでも、洋服のことを気にしています。

キキ:「パーティーの招待状もらっちゃった」
おソノ:「ステキじゃない。行って来なさいよ」
キキ:「でも私、この服しか持ってないもん」
おソノ:「あら、そんなこと気にしてるの?それとってもいいよ。黒は女を美しく見せるんだから」
キキ:「ホント?」

トンボの誘いを断るシーン

おソノの頼みでコポリさんにお届けものをして、コポリさんがトンボだと分かり、二人で自転車に乗って海岸に行き打ち解けます。しかしトンボの友人が来て、トンボが飛行船の中を一緒に見に行こう、と誘うと、一転して断ってしまいます。

トンボと二人だと素直になれますが、トンボの友人がいると打ち解けられない自意識過剰の感じが思春期を思わせます。

後でジジに向かって言うセリフ。

「ジジ、私ってどうかしてる。せっかく友達ができたのに…」

魔法が使えなくなり悩むキキ

「私、修行中の身なんです。魔法がなくなったら何の取り柄もなくなっちゃう」

自分は生きている価値があるのか、と問いかけるのが思春期。キキは魔法が使えなくなることで自分に価値を見い出せなくなり、落ち込みます。

たまたまおソノに会いに来ていた女性(ウルスラ)に誘われてしばらく彼女のところに行き、絵のモデルをしたりしながら話をするうちに、少しずつ自信を取り戻します。

そして、最後のトンボを助けるシーンで魔法の力を取り戻します。


キキの頭のリボンは思春期の象徴

アニメ&ゲームさんの記事からの抜粋です。

この中でジブリの鈴木プロデューサーが、キキの頭についているリボンが思春期の象徴と言っています。

 「『魔女の宅急便』をやろう!と。で、宮崎駿本人が監督することになったんですよね。本人が多分悩んでたんでしょうね。『鈴木さん散歩に行こう』って言い出したんです。それでかれこれ3時間。ぐるぐるぐるぐるいろいろまわって…。結局喫茶店に入って、2人でお茶を飲んだんですけど。もうそこで3時間ぐらいしゃべってる。で、いきなり、『何作ったらいいの?』って言われて(笑)。原作はあるし、テーマもあるんですよ。テーマっていうかストーリーも。だから僕が言ったのは、『思春期。だって宮さん、思春期の人扱ったことないでしょ?』って。

 そしたら、宮崎駿監督は、観念を具体化するのがすごい上手い人で、そこが彼の才能だと思うんですが紙ナプキンをパッと置いたんですよ。それで自分のポケットからね、細いマジックペンを出して、いきなり描いたでっかいリボン。『これだね!』って言ったんですよ。『このでかいリボンがこの娘を守ってるんだ。それが思春期じゃない?』って。それがスタートでした。

 抽象的じゃなく、常に具体的・現実的。その大きなリボンが頭にのっかってる…って、思いついたら後はスッキリなんです。それで、側にジジがいる。そうすると、リボンとジジによって守られる女の子。宮崎駿という人は、キャラクターをどうやって作るか、突然(頭の中に)降りてくるんです」。

ここで気になるのが、マジックペンの色が赤だったのか、という点ですが、それについては触れていません。リボンが赤なのは視覚的に素晴らしいと思います。キキの洋服の黒と髪の毛の黒、空を飛ぶときの空の青とリボンの赤のコントラストが画面を引き立てます。

まとめ

キキのリボンが思春期の象徴とは新しい発見でした。キキは頭のリボンと猫のジジによって守られていたんですね。

この映画は何度見ても新しい発見があり、年代によって見方も変わるので、これからも数年に一度は見たいと思いました。

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