JR松本駅を降りると、「まつもとぉ~、まつもとぉ~、」と独特の自動放送が流れます。
声を担当したのは、沢田敏子さん。懐かしさと旅情を感じる放送がどのように生まれたのかを調べてみました。
目次
JR松本駅の自動放送が独特なのはなぜ?
実際の放送がこちら ↓
JR松本駅の自動放送
「まつもとぉ~」の放送は、列車が駅に着き、ドアが開くと流れます。
松本が執着の場合は3回、それ以外は2回のところが多いそうです。
1985年か86年に使い始めたのではないか、ということでした。
国鉄時代に収録
声の主は声優の沢田敏子さん。
国鉄が駅の自動放送を本格導入し始めた時期に収録したそうです。
当時上野駅の自動放送は独特で、「上野型放送」と呼ばれましたが、現在沢田さんの声が残っているのは、JR篠ノ井線松本駅と、信越線長野駅の2駅だけだそうです。
JR東日本長野支社によると、沢田さんの声を変える予定はないということでほっとしました。
あの、旅情を感じる放送がいつまでも残ってほしいものです。
別枠扱い
沢田さんは、国鉄の依頼を受け、北海道から九州までの吹込みを担当しましたが、上野駅と松本駅だけが別格扱いだったそうです。
上野は郷愁を、松本は旅情を感じるように、と注文されました。難しいですね。
そこで沢田さんは試行錯誤して、あの独特の語尾を伸ばす言い方にしたそうです。
当時一代ターミナルだった上野駅と並んで、松本駅がなぜ別格だったかですが、長野県では当時冬季五輪の招致話があり、国鉄がいち早く自動放送を導入したからだったのようです。
沢田敏子起用の理由
自動放送に沢田さんが起用されたのは、声の周波数が編集用の機械に乗りやすかったからだそうです。
沢田さんの声はアルト~メゾソプラノ。当時の機械の性能上、特定の音域の声が使われたのですね。
●JR東日本の在来線(首都圏)のホーム案内放送 ↓
声優沢田敏子についても
沢田敏子さんは、東京俳優生活協同組合に所属する声優さんです。
上野おばさんとして親しまれる
国鉄時代からの上野駅の自動放送は独特で、「上野型放送」と呼ばれ、沢田さんは「上野おばさん」と呼ばれることもありました。
ベテラン声優
沢田さんは、「アルプスの少女ハイジ」(74年)のナレーションで有名ですが、「アニメ三銃士」や「シートン動物記」のナレーションもしていました。
映画吹き替えでは、「007シリーズ」「ディズニー眠りの森の美女」「ワンスアポンナタイム イン アメリカ」などに出演しています。
アニメ作品、日本語吹替やゲーム、など数えきれないほどの出演作品がありました。
まとめ
JR松本駅で到着時に流れる自動音声について、また、声を担当した沢田敏子さんについてみてきました。
国鉄時代に収録された長い歴史がある音声で、2駅だけ残っている貴重なものであることが分かりました。
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