「風の谷のナウシカ」の主人公はもちろんナウシカですが、ナウシカにモデルはいるのでしょうか。
調べてみると、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』に出てくる王女と平安時代の著書「堤中納言物語」の中の虫めづる姫が関係していることが分かりました。
ナウシカのモデルについて見ていきたいと思います。
目次
ナウシカのモデルは?
ナウシカのモデルについては、「風の谷のナウシカ」の原作第1巻の裏表紙に記載されています。
原作者の宮崎駿さんが、バーナード・エブスリンの「ギリシア神話小事典」を読み、その中に描かれた王女ナウシカに魅了されて、その名前を付けたという事です。
オデュッセイアの王女と虫めづる姫について
ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』に出てくるナウシカ ↓
引用:study.com
『オデュッセイア』に出てくる王女
ナウシカは、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場します。
スケリア島に住む神話の人々のグループの一つであるパイアキアの王女です。
アルキノオス王とアレテ女王の娘であり、ブロンズの壁で囲まれた巨大な宮殿に住んでいました。
ナウシカはある日、服を洗ったり、友達とボール遊びをしたりするためにビーチに向かいます。
一方オデュッセウスはその朝、ポセイドンが送り込んだ嵐と3日間戦った後、岸に打ち上げられました。
彼は王女と彼女の友達が笑って遊んでいるところにたどり着いたのです。
オデュッセウスは、その時裸で、飢えていて、身体は毛深かったので、ナウシカの友達はみんな怖がります。
しかしナウシカは動じずに目の前のオデュッセウスに服を着るように言います。そして彼女の母親に助けを求めに行くのでした。
こののちナウシカはオデュッセウスに恋心を持ちます。
父のアルキノオス王も、オデュッセウスを引き留めナウシカを妻としてくれればよいと考えます。
しかしオデュッセウスが素性を明かし、故郷に妻ペネロペと子を持つ身だと知り、ナウシカはあきらめ、オデュッセウスを送り出すのでした。
虫めづる姫君
宮崎駿さんはその王女ナウシカから「堤中納言物語」に出てくる「虫めづる姫君」を連想したといいます。
それは、ギリシア神話のナウシカが王女でありながら、普通の身分の少女たちとビーチでボール遊びをしたりするところが、平安時代のお姫様でありながら、虫を愛し、子どもたちに虫を捕まえさせたりする姫と似ていたからでしょう。
そのようなところから改めて「風の谷のナウシカ」のナウシカを見てみると、「風の谷」の族長の娘でありながら、住民たちや腐海の虫とも心を通わせる優しい少女、と言う設定がまさに前記の2人の姫から作られたものであると分かります。
美しい姿かたちは『オデュッセイア』に出てくるナウシカ、虫と心を通わせるところは「虫めづる姫」から来たもので、共通するのは、身分の高い少女でありながら分け隔てなく市井の人と交わるところでしょう。
「虫めづる姫」に関しては、かなりエキセントリックなお姫様で、当時の風習を全く無視して身なりを気にせず、髪を耳の上に掻き上げ、眉毛を抜かず、 歯を黒くしない自然体だったようです。
※平安時代の上流階級の女性は、眉を抜いて顔を白く塗り、小さい眉を書くのが普通で、また、お歯黒の風習で女性は歯を黒く染めていたそうです。
「虫めづる姫君」は英語版もありました ↓
Nausicaäの表記について
「風の谷のナウシカ」の英語表記は”Nausicaä”です。
普通に読むと、ナウシカアーとなります。
名前の意味は、burner of ships「船を燃やす者」だそうです。
しかし↓のブログの方の見解では、「船によって恋心を搔き立てられること」と言う意味のようでした。
ナウシカとオデュッセウスは一瞬恋人になったので、オデュッセウスが帰ってしまった後、ナウシカは海で船を見ると、恋心が掻き立てられる、という事でしょうか。
https://open.mixi.jp/user/809109/diary/876313120
また、最後の-aa-の上の点の表記については↓のような意味があるそうです。分離符と言うのですね。今ではあまり使われなくなっているようです。
英語では、-aa- のように母音が続く場合、後ろの母音の上に ¨ という記号を付けます。これを 「分離符」 と言います。
引用:https://open.mixi.jp/user/809109/diary/876313120
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まとめ
今回は、「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカのモデルについてのまとめでした。
『オデュッセイア』出てくる王女と、「堤中納言物語」に出てくる「虫めづる姫君」の2人がモチーフになっていることが分かりました。
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