「オリエント」は「別冊少年マガジン」にて連載中の大高忍さんによる少年マンガです。
戦国時代に似た世界を舞台に、神と崇められる「鬼神」と戦う武士を目指す少年の物語となっています。
2022年1月からテレビ東京ほかにてアニメも放送予定の大注目作品です!
この記事では「オリエント」に登場する上杉武士団の天才軍師・宇佐美黒子(うさみ くろこ)について解説していきます!
黒子にモデルはいるのか、また、モデルとされている謙信の軍配者・曾我冬之助(宇佐美定行・モデルは宇佐美定満)は実在したのかについても見ていきたいと思います。
目次
【オリエント】宇佐美黒子のモデルは?
ここからは宇佐美黒子についてみていきます。
宇佐美黒子とは?
宇佐美黒子は最強の武士の一人とされている上杉竜臣(うえすぎ たつおみ)率いる上杉武士団に所属している女性軍師です。
身長は172cmだそうです。さすがに背が高いですね。
そしてとてもおしゃれなのです。全身ブランド物で買い物が大好きなのだそうです。
外見の特徴ややはり左目にかかるアシンメトリーな前髪と、レースを多用した独特の衣装でしょうか。
決めのシーンでのレースの作画は感動的です!
軍師の宇佐美黒子、レースが細かい!#オリエント #マガジン 38号発売中! pic.twitter.com/SaypYs6azw
— 週刊少年マガジン公式 (@shonenmagazine1) August 22, 2019
軍師として高い能力を持ち、淡路島奪還作戦では敵「黒曜の八人」の軍師である犬川清六(いぬかわ せいろく)との激しい軍師対決を制しました。
また、一般的に軍師と言うと作戦立案能力に反して、戦闘能力は低いと思われがちです。
しかし宇佐美黒子は最強の緑刀使いとして高い戦闘能力を誇っています。
鬼神を拘束する能力に長けた緑刀の中でも、刀気で監獄を作り出して鬼神を閉じ込める事ができるのは宇佐美黒子だけです!
その能力から、上杉軍1の縛手(しばりて)と称されています。
まさに容姿端麗、頭脳明晰に加えて文武両道な最強軍師なのです!
本日『#オリエント』9巻、紙と電子で発売です!全国書店様で、大高先生描き下ろしのペーパーを配布しております(一部取り扱いのない店舗もございます)。
表紙は直江兼竜&宇佐美黒子!おまけ漫画も少しだけ公開しちゃいます!
よろしくお願いいたします!#大高忍 @shonenmagazine1 pic.twitter.com/hbznXU4dmE— 『オリエント』公式@22年1月〜TVアニメ放送中‼︎ (@orient_magazine) May 15, 2020
完全に余談ですが、「宇佐美 黒子」でGoogle画像検索すると「ゴールデンカムイ」の宇佐美上等兵も結構な割合で出てきます。
「ゴールデンカムイ」もそれはそれでとても面白いのでオススメです。ヒンナヒンナ。
モデルは曾我冬之助(そが ふゆのすけ)
「オリエント」には日本史上(特に戦国時代)の人物をモデルにしたキャラクターが多数登場します。
では最強軍師・宇佐美黒子のモデルとなったのは誰なのでしょうか?
宇佐美黒子のモデルは曾我冬之助だと思われます。
曾我冬之助は軍神・上杉謙信(うえすぎ けんしん)の軍師・宇佐美定行(うさみ さだゆき)の改名前の名前です。
上杉謙信のライバルである、武田信玄(たけだ しんげん)に仕える天才軍師・山本勘助(やまもと かんすけ)のライバルとされています。
宇佐美黒子と曾我冬之助の共通点
では、「オリエント」の宇佐美黒子と、そのモデルである曾我冬之助(改名後は宇佐美定行)に共通点はあるのでしょうか?
残念ながら、「上杉家に仕える軍師である」「名前が宇佐美である」という共通点以外は特にありませんでした。
片目を隠しているところも共通点と言えば言えますが・・
黒子が左目を隠した髪型なのは意味があるのかわかりませんが、バトル展開がひと段落した後の宴会シーンでは普通に描かれていました。
宇佐美黒子と曾我冬之助の違い
共通点が少ないので、正直に言うと宇佐美黒子と曾我冬之助の間には違いだらけです。
その中でも最もわかりやすい違いは性別です。
(宇佐美黒子は女性、曾我冬之助は男性)
実際の戦国時代では、女性の軍師は考えられなかったでしょうから。
謙信の軍配者・曾我冬之助は実在した?
曾我冬之助は実在した?
もう少し詳しく曾我冬之助について解説します。
まず、そもそも曾我冬之助は実在したのか?という点ですが、実は曾我冬之助は史実には存在しない架空の人物です。
多くの軍記物で曾我冬之助が上杉謙信の軍師という扱いを受けています。
しかし、信ぴょう性の高い史料からは、その事実は確認されていません。
曾我冬之助の活躍が書かれている文献はあくまで創作物としての軍記物であるため、架空の人物であると考えられています。
史実では謙信の軍配者は宇佐美定満
しかし、曾我冬之助が架空の人物だったとすると、実際に上杉軍・軍師は誰だったのでしょうか?
上杉謙信自身が軍神と称されるほどの優秀な武将であったため、上杉軍には軍師が不要だったということでしょうか?
いえ、それは違います。
上杉謙信に仕えた軍師は実在しているのです!
その名は宇佐美定満。
宇佐美定満は越後国において琵琶湖島城に勢力を持っていたとされる武将です。
宇佐美定満と曾我冬之助の関係は?
では、宇佐美定満と曾我冬之助はどのような関係なのでしょうか?
戦国時代の史科に登場する軍師は宇佐美定満です。
対して、江戸時代以降に書かれた軍記物には曾我冬之助の活躍が書かれています。
曾我冬之助は宇佐美定満をモデルとして創作されたと考えられます。
武田人気への対抗
何故、架空の人物を軍師として登場させたのか?
その理由は、江戸時代における武田人気への対抗心ではないかと考えられます。
江戸時代初期の書物に「甲陽軍鑑(こうようぐんかん)」という本があります。
「甲陽軍鑑」は武田信玄の物語を中心に、武田家にまつわる逸話や軍学が記されている武田家ファンブック決定版といった本で、江戸時代には広く読まれていました。
なんと、現代の時代小説や時代劇、歴史物のマンガに至るまで様々な影響を残しているすごい本なんです。
この「甲陽軍鑑」の中で武田軍の天才軍師として描かれているのが山本勘助で、非常に高い人気を誇る武将です。
曾我冬之助を生み出したのは宇佐美定満の孫と目される人物です。
彼が武田の高い人気に対抗心を覚えて、山本勘助に対抗するために祖父である宇佐美定満をモデルとして創作したと考えられます。
実在人物のライバルとして架空のキャラクターを創作するなんて、江戸時代の発想とは思えないですね!
「オリエント」の宇佐美黒子のモデルに、さらなるモデルがいたというのは不思議な感じがします。
まとめ
この記事では「オリエント」に登場する最強軍師・宇佐美黒子とそのモデル・曾我冬之助について解説しました。
「オリエント」は2022年にアニメ化が決定しており、大注目の作品です!
この記事で紹介した宇佐美黒子の活躍も描かれる事でしょう!
アニメを見る時、登場人物たちの元ネタがわかっているとさらに楽しめるに違いありません!
→『オリエント』の動画を無料で見る方法はこちら