「おちょやん」15週で、一平(成田凌)や千代(杉咲花)のいる松竹家庭劇は、鶴亀の社長・大山のもくろみで、万太郎一座との一騎打ちをすることになります。
一平は初めて千之助と力を合わせて台本「丘の一本杉」の台本を書きます。
「丘の一本杉」のモデル作品について調べてみました。
目次
【おちょやん】丘の一本杉のモデル作品・元ネタは?
「丘の一本杉」のモデル作品は、昭和12年に曾我廼家十吾と渋谷天外が松竹家庭劇で演じた「丘の一本杉」です。
「おちょやん」のお話も実際のモデル作品も「丘の一本杉」と同じ題名です。
モデル作品の脚本は館直志(二代目渋谷天外)・茂林寺文福の合作でした。
配役は、田中良助が曾我廼家十吾、息子の幸太郎が渋谷天外で、妹のおせつ役で浪花千栄子も出演していました。
幸太郎の嫁のおきくは、東愛子でした。
元ネタ「丘の一本杉」のあらすじ
鍛冶屋を営む田中良助、お力夫婦には一人息子の幸太郎がいました。
幸太郎は父の跡を継ぎ鍛冶職人になり、腕も立ち人柄も申し分ない息子でした。
しかし父親の良助は性分で、幸太郎につい小言を言ってしまうのでした。
幸太郎はじっと我慢をしていたのですが、ある時父の度重なる小言に我慢できずに、女房のおきくの止めるのも聞かず家を飛び出してしまいました。
家を出たものの年老いた父親のことが気に掛かります。
一方父親の良助も幸太郎が出ていくと矢も楯もたまらず後を追います。
幸太郎は父のことが気がかりで脚が進まず、峠に差し掛かると足が止まりました。
ふと後ろを振り向くと神木の一本杉が立っています。そしてそこには足を引きずりながらやってきた父の姿も。
父と子は一本杉の前で再会し、涙を流して親子の愛がどれほどまでに堅いものかを改めて知るのでした。
「おちょやん」でのエピソード
「おちょやん」では、一平と千之助が力を合わせて「丘の一本杉」の台本を書いたことになっています。
内容は、頑固で負けず嫌いな鍛冶職人の父と、その弟子でもある息子との笑って泣けるお芝居でした。
この芝居は大盛況となります。
史実との違い
実際は脚本を書いたのは渋谷天外(館直志)と茂林寺文福であり、曾我廼家十吾(千之助のモデル)は書いていません。
十吾が父親役、天外が息子役で演じたのは、「おちょやん」と同じでした。
ちなみに、後の昭和43年の公演では、鍛冶屋・田中良助が天外、息子の幸太郎が藤山寛美、幸太郎の女房おきくが鶴蝶、母・お力が酒井光子の配役でした。
この時はすでに天外は浪花千栄子と離婚していて、千栄子は松竹を離れていました。
2013年にも「丘の一本杉」で、良助(父親)役を3代目渋谷天外が演じています。
まとめ
おちょやんに出てきた「丘の一本杉」は、実際に松竹家庭劇で演じられた作品「丘の一本杉」でした。
曾我廼家十吾が父親役、渋谷天外が息子の幸太郎役で、浪花千栄子も幸太郎の妹役で出演していました。
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