映画「おおかみこどもの雨と雪」は細田守監督による作品です。
こちらでは、「おおかみこどもの雨と雪」のラストシーンと花、雪、雨のその後について考察したいと思います。
目次
【おおかみこどもの雨と雪】ラストシーンについて考察!
「おおかみこどもの雨と雪」のラストシーンについては賛否両論あります。
映画.comのレビューでも、「もやもやして最悪の後味」という意見がある一方で、子どもの2人が自立し、母の花がそれを見守る家族愛が素晴らしい、という見方もありました。
「おおかみこどもの雨と雪」のラストシーン
「おおかみこどもの雨と雪」の本当の最後は、花が山から聞こえるおおかみの遠吠えを聞いて、亡くなった夫の写真を見て満足そうに微笑むところで終わっています。
花は子ども二人の独立を認めて、一人で田舎の古民家に住むことを選びました。
雪が中学の寮に入るのに花のもとを離れ、雨はおおかみとして生きる道を選んだのです。
10歳ちょっとでの独立は早い気がしますが、二人がおおかみでもあることから、普通の人間の子よりも早い独立なのでしょう。
しかしラストシーンとして多くの人がとらえるのは、雨がやまで遭難した花を駐車場まで送ってきて、オオカミの姿で山に帰り、遠吠えするシーンだと思います。
この時に雨が去っていくのを泣きながら見ていた花は、雨が山の断崖から遠吠えをするのを見て、吹っ切れたように笑顔になり、「元気で」とつぶやき、続けて「しっかり生きて!」と叫ぶのです。
花はこの時に雨のおおかみとして生きていく覚悟を見て、雨の親離れを確信したのだと思います。
ラストシーンの感想
私自身は、雨の独立がはっきり表現されて花が気持ちを切り替えられたのが分かったし、3人がそれぞれの道を歩き出すという点で、スッキリした納得のいくラストシーンだと思いました。
花は二人のおおかみこどもを立派に育てたと思います。子どもと無邪気に遊んだり、悪さをしたときは叱ったり、いつも子どもを見守っている花は、母親としての理想像かもしれません。
親子3人のその後についても
3人のその後については小説でも述べられていないので分かりませんが、自分勝手に想像してみました。
花のその後
今まで暮らしてきた古民家に住み続ける選択をした花。これからも里の人たちと交流しながら静かに暮らしていくように思います。
まだまだ若いので誰かとまた恋愛して再婚してほしい気もしますが、花の性格からいってそれはないでしょう。
雪は学校の休みの時に花のもとに帰るでしょうが、雨はもう帰らないで野生として生きていくのだと思います。それを花も納得したので雨の遠吠えを聞いて微笑むことができたのでしょう。
雪のその後
全寮制の中学に進学した花。人間として生きていくことを選択しました。
雪が中学で友達と楽しそうな写真が花のもとにあり、その写真の背後に草平らしき人物が写っています。
草平は雪の秘密を知っているただ一人の友達なので、雪にとっては良き理解者となる人物です。
草平はこれからもずっと雪のことを見守ってくれるといいなと思います。結婚するかどうかは分かりませんが、その可能性もありますね。しかし、雪は自分がおおかみと人間のハーフで苦労したから、子どものことを考えて結婚しない道を選ぶかもしれません。
雨のその後
雨は小さい頃から人間の世界で生きるのが苦手でした。
あるとき川でヤマセミを見つけ、捕まえた後渓流に滑り落ちて流されてしまったことがありましたが、その頃からおおかみの本能が目覚めたようです。
その頃から急に大人びて甘えん坊だったの雨は山に行くようになります。
山の主のアカギツネに山での所作を教えられ、先生と慕うようになり、先生がケガをして動けなくなった時には、自分が先生の代わりになる覚悟を決めます。
母親の花が山に行かないで、と頼んでしばらくは家にいましたが、結局嵐の日に山へ行くのでした。
雨を探して遭難してしまった花をおぶって里に連れて行き、目覚めた花を振り切っておおかみの姿で山を疾走する雨。
花は雨の遠吠えを聞いて、雨がおおかみの道を選んだことを納得し、「しっかり生きて!」と叫ぶのです。
雨はおおかみとして今後も生きていくでしょう。
しかし人間の姿にはもう戻らないのでしょうか。山をまとめる仕事を終えたときに、ふと人間としての姿を思い出して花のもとに会いに来てほしい気もします。
雨は成長して父親にそっくりの姿になっていました。父親のように人間として生きる道の可能性もあるかもしれません。
まとめ
「おおかみこどもの雨と雪」のラストシーンについて、また花、雪、雨のその後について考察しました。
それぞれが別々の道を歩んでいく素敵なラストシーンでした。
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