ドキュランド「私のような少女たちへ」の背景と感想!性暴力は無くならないのか

Eテレで放送のドキュランドで、「私のような少女たちへ」と題して、実父の子どもを妊娠・出産したアフガニスタンの女性カテラを取り上げていました。

このような性被害を公にするのは勇気のいることです。背景を探ってみました。

 

ドキュランド「私のような少女たちへ」の背景

ドキュランドでの番組紹介はこちら

このドキュメントの女性・カテラは女性弁護士の助けで、ようやく裁判で父を訴えることができました。

このドキュメントでは3年間に渡るカテラの様子を描いています。
カテラのケースは特殊なことなのでしょうか?

日本でも性犯罪の裁判は増えています。しかし裁判までいかないケースは本当にたくさんあるのではないでしょうか。

性被害が公にならない理由はいくつかあります。

周りが被害者の話を信じようとしない

2019年12月に、4年間にわたって父親より性虐待を受けていたブラジルの少女が、父親の子を出産中に亡くなるという事件がありました。

13歳のローラは9歳の時に父親から性虐待を受け、それからもずっと続いたそうです。
父親は事実を話せば殺す、と脅していたそうです。

ローラは叔母が妊娠に気付いたとき、相手が父親だと言ったのですが、母親は信じずに否定したという事です。

このように母親に勇気を出して話したが否定されることはよくあるようです。被害を受けた子はお母さんにも信じてもらえずに2重に苦しむことになります。

「私のような少女たちへ」のカテラの場合は、母親がカテラの味方だったことが大きく違います。カテラの勇気、強さは母親が認めてくれていたことにもよると思いました。

被害届を出すのも大変

被害者が子どもの場合、一人で警察に行って被害届を出すことは無理でしょうし、加害者に「言ったら殺す」などと脅されていることが多いです。家庭内での性虐待は逃れられずに日常化してしまうようです。

また、勇気を出して警察に行っても親が否定すれば子どもがうそをついていることにされてしまいます。

ある被害者が被害届を出そうとしたら、「被害届を出せば裁判になってお金と時間がかかり嫌な思いもしますがいいですか?」と聞かれたそうです。

弁護士など専門家が付いていれば別ですが、そんな風に言われたら、やめようと思うのが普通だと思います。

被害届を出したら出したで、事細かく状況を説明しないといけない、裁判になれば長いことその問題から逃れられない、周りからもいろいろ言われるなどの2次被害、3次被害が待っています。

裁判は記録で行われる

2019年の実父による性虐待の事件に無罪判決が出たことで多くの人が怒りや憤りを感じました。

この女性が19歳で、両親の反対を押し切って大学に進学しようとしたり、専門学校に入学したりしたことから親の言いなりではなく、自分の意志で行動できると判断されたようです。

でも、そもそもなぜ実の親が娘をレイプして無罪になるのかが分かりません。どんな状況であっても事実が立証されたら有罪になるべきではないでしょうか。

 


性暴力は無くならないのか

性暴力を無くそうと訴える「フラワーデモ」の広がり

2019年3月に性犯罪の無罪判決が4件続いたことに危機感を抱いた作家の北原みのりさんらがネットで呼びかけ、4月11日に約400人が東京駅前に集まりました。

マイクの前で自分の体験や思いを語る人が2時間途切れなかったそうです。それが第1回フラワーデモとなり、各地で毎月11日に性暴力をなくそうと訴える「フラワーデモ」が開かれるようになりました。

参加者のなかには#Metooや#WithYouのプラカードを持つ人もいます。花を持ったり花柄の服を着たりする人も多いようです。シュプレヒコールも行進もなくただ思いを語りそれを聞くのだそうです。そんな静かなデモが多くの人の心を動かしていくのは素敵ですね。

 

声をあげる被害者たち

世界で広がる#Metooで、ハリウッド女優たちや著名人が声をあげ始めたのに続いて、ネットやSNSで声をあげる被害者が増えています。

小川たまかさんもその一人 ↓

性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo…多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書

引用:Amazon

 

 

まとめと感想

性被害者は性被害にあったことで自分を肯定できずに苦しみ続けます。

一方加害者は性暴力をやめられずに苦しんでいるのでしょうか。自分が悪いという認識はあるのでしょうか。自分はおかしいと気づいてはやく専門機関につながってほしいです。

被害者が、訴えても無駄だからあきらめる、なんて悲しすぎます。

訴えても訴えなくても一生傷は残ります。

カテラは父親のことを話しても始めは誰も信じてくれなかったそうです。勇気を出してテレビに出たことで、裁判につながったという事です。裁判もできず自分と同じ思いをしている少女たちがたくさんいるだろうと言っていました。

声を上げることで変化が起きると思います。

インターネット上で自分の体験を語る人もいます。
自助グループで話したり聞いたりする人もいます。

そして世界で広がる#Metoo 運動、また、昨年4月から始まったフラワーデモ、そんな場所で少しずつ声を上げる女性が増えてきました。

みんなが自分とは関係ないと思わないで、自分のこととして考えなくてはならない問題だと思います。

◆ドキュランド関連記事はこちらです。

ドキュランドはNHKEテレで毎週金曜の午後10時に放送されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です