大人気漫画「ゴールデンカムイ」の中でも三大派閥の旗頭、鶴見篤四郎中尉。
奇抜な見た目に奇行だらけの、頭のキレまくる軍人で、作中の不可解な行動には、枚挙に暇がありません。
杉元・アシリパ陣営にとっても最大の敵と言ってもよい存在です。
今回は、鶴見中尉の奇抜な見た目の象徴の「おでこの裏側」と「過去」について掘り下げていきたいと思います。
目次
ゴールデンカムイで鶴見中尉のおでこの裏側は?
鶴見中尉とは?
本名は鶴見篤四郎。帝国陸軍北海道第七師団に所属する軍人で、そのなかでも歩兵第27聯隊のうちの一小隊を率いています。階級は中尉。
見た目は、日露戦争中の負傷で欠損した頭蓋骨を補うためのホーロー製の額当てが特徴です。目元も皮膚がはがれたように露出したような感じです。
負傷して以降は、情緒がやや不安定になり、狂気に満ちた一面をみせる様子もあり、また感情が昂ると額の傷口から時々脳漿(本人曰く「変な汁」)が漏れ出します。
鶴見中尉の奇行が目立つのは作中でも何度もありますが、個人的に初めて衝撃を受けたのは、2巻13話にて激怒する和田大尉の指を噛みちぎり、「ポウッ」と吐き出したところでしょうか。
そんな鶴見中尉ですが、情報収集・分析を得意とする優秀な情報将校でもあります。
隊内に造反者がいることを見抜き、造反組の尾形を泳がせて一網打尽にしようとしたり、アイヌの埋蔵金の言い伝えから、のっぺら坊が明かす埋蔵量よりもはるかに多いと見通していると谷垣から語られる場面も。
またその高い分析能力からか、高い人心掌握術とカリスマ性で、多くの部下を従えています。
その手法は耳障りの良い言葉を並べるだけにとどまらず、偶発的に起こった事件すら全て手の内の様にも見え、その甲斐もあり鶴見に強い忠誠を誓う者もばかり。
作中でも、宇佐美・月島・尾形・鯉登少尉・造反組だった二階堂ら面々を次々懐柔していく様子がみられます。
第七師団(27聯隊)の殆どは、鶴見の「戦友」と言っていいでしょう。
軍人ではありませんが、江渡貝弥作を懐柔するシーンも、とても気持ち悪くておすすめです。
鶴見中尉のおでこはどうなっている?
ホーロー製の額当ての下は、頭蓋骨の前頭部および前頭葉の一部を失っているとのことです。
脳そのものが直接露出していると、感染のリスクや、衝撃で脳組織が飛散してしまいそうなので、さすがに何か保護するものがあるかと考えられますが、作中では語られていません。
ヤングジャンプの公式Q&Aによると、「ある程度皮膚で覆われているとは思う」と原作者が回答していますので、額当てを外しても直接脳そのものが露出していることはなさそうです。
同回答によると、あの額当ては、汁で裏側がガビガビになるためお風呂で一緒に洗っているそうで、湯船に浮かべて遊んでいるかもしれないとか。鶴見中尉ならやりそうですね。
奉天会戦で負傷
鶴見中尉が額当てをする原因となった事件は、15巻150話で描かれており、日露戦争・奉天会戦での負傷によるものです。
戦中の塹壕で、幼馴染「いご草ちゃん」について問い詰める月島とともにロシアからの爆撃を受け、吹っ飛ぶ様子が描かれています。
爆撃直前、「伏せてくださいッ」と庇う月島の姿に対して、鶴見中尉の笑った口元が意味深です。この爆撃を受けることで、何か好機を得たと悟ったのでしょうか。
過去はかっこいいスパイ
若い頃の鶴見がかっこいい
額を負傷する前の鶴見中尉の容姿は作中でも何度か確認でき、口髭の渋い美男子、といった印象です。
物語の数年前、鶴見が地元を訪ねたときに、同郷宇佐美の姉が「しゃれこきな将校さん」と鶴見の事を表現していました。このことからも、元の鶴見中尉は美男子だったのでしょう。
とくに若いころとなると、ロシアで活動していたころの鶴見の容姿は、髪型も違い髭もなく、十数年若いということもあり、ぐっと違って見えるでしょう。
個人的に見て欲しいと思うのは、20巻200話で誘拐された当時16歳の鯉登音之進を五稜郭へ救出に来た鶴見中尉の登場シーンです。
引用:ゴールデンカムイ 集英社
直前、父である鯉登平二の無茶な自転車走行に同乗・馬車鉄道に衝突しており、見た目もフラフラで、立派な軍服の両袖を失った状態での登場になってしまいました。しかし何故か背景もきらめいて見えます。
これには同性の鯉登音之進も、あまりのかっこよさに惚れてしまったかもしれません。
現在は奉天会戦の負傷で額当てをしている鶴見中尉。本人としては、かえって男前が上がったと言っているようです。
スパイとしてロシアで活動
18巻177話~179話によると、鶴見中尉は、かつて名前と身分を偽り帝政ロシアのウラジオストクに居を構え、諜報活動を行っていたようです。名前を「長谷川幸一」と名乗り、現地では妻フィーナと子オリガも設けていました。
引用:ゴールデンカムイ 集英社
坊主頭に髭なし、丸眼鏡の男性で、とても穏やかな雰囲気を漂わせています。
「長谷川幸一」の設定は、10代の頃に父親の仕事でロシアに渡り、知人から写真館を譲り受けたことをきっかけに写真師として暮らすようになったとのことでした。
またロシア滞在中に、ウイルク・キロランケ・ソフィアに頼まれ、日本語の講師も引き受けていました。
情報将校としての能力は当時からも伊達ではなく、ソフィアが何者か勘付いていただけでなく、ウイルクやキロランケが指名手配されていることも、気付いていたようです。
オフラーナ(ロシアの秘密警察)が長谷川写真館にやってくる直前、妻子を巻き込まぬよう実家に里帰りさせ、ちょうど訪ねてきたウイルク達3人にも出ていくように説得します。
長谷川幸一の素性がロシアに露わになったのは、キロランケによると、他のスパイが秘密警察に捕まって情報を吐いたのだろうとのことでした。
本人に落ち度なく、ウイルクやキロランケにもスパイと気付かせないことでも、スパイとしての優秀さを伺えます。
結局、この時の襲撃で帰郷途中だった妻子は流れ弾に当たって死んでしまいます。
最後の最後で妻へ正体を明かす鶴見中尉。この現地で得た妻子のことを愛していたのか、死んでしまった我が子を抱き上げる様子には、胸に迫るものがあります。
まとめ
今回は、鶴見中尉の「おでこの裏側」と「過去」について、掘り下げてみました。
鶴見中尉は、作中のキーパーソンであったウイルクとも、過去に関わりがあったことが明らかになりました。
ウイルクが死亡した今、鶴見こそが物語のキーパーソンになるかもしれません。
度々上演される鶴見劇場は今後どうなっていくのでしょうか。
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