朝ドラ・エール第5話に出てきた妹尾楽譜の意味や由来とは?大正ロマンについても

 
NHK朝ドラ「エール」も5回目。裕一の才能が学校中のうわさになり、女子が詩に音楽を付けてもらうのに裕一の席の前に並んだり、いじめっ子に妬まれるようになる様子が描かれていました。

お話しではいろいろありますが、実際は仲良しのようです ↓ ↓

さて、第5話では裕一がお父さんと出かけて、楽譜を買ってもらいます。

楽譜を手にして嬉しそうな裕一。ところがいじめっ子の太郎に楽譜を取られてしまい、破られそうになるところを鉄男に助けてもらう、という流れでした。

裕一が買ってもらった妹尾楽譜について調べてみました。

朝ドラ・エール第5話に出てきた妹尾楽譜とは?

妹尾楽譜の意味:主に西洋の歌を紹介するために出版された楽譜

妹尾楽譜は、正確には「セノオ楽譜」として出版されました。

(以下ウィキペディアより)

「セノオ楽譜」は小品が1-2曲収められたピース楽譜で、内容はほとんどが声楽作品であり、器楽は2%ほどであった。声楽のうち歌曲が5割強、オペラの抜粋が2割強、軍歌が1割、後は合唱や民謡などである。作品の作曲者は日本人の他、ドイツ・オーストリア、フランス、イタリア、アメリカ、イギリス、ロシアと広範囲にわたっている。

妹尾楽譜の由来:音楽評論家の妹尾幸陽の名前が由来

音楽評論家・訳詞家として活動していた妹尾幸陽は、1915年(大正4年)にセノオ音楽出版社を設立し、セノオ楽譜を出版しました。

妹尾楽譜が人気があったのは、日本人の音楽趣味に合った選曲ももちろんですが、デザインの装幀の美しさが理由のようです。特に竹久夢二の表紙絵は「大正ロマン」の象徴といわれたそうです。


大正ロマンとは?

大正ロマンとはどういった文化なのか

大正ロマンとは大正浪漫とも言われ、19世紀を中心にヨーロッパで展開した「ロマン主義」の影響を受けて、大正時代に流行した精神運動のことです。ある意味「戦前日本の最後の平和な全盛期」を象徴する文化でもあります。

大正ロマンを代表する文化人として竹久夢二や北原白秋がいました。

北原白秋は、「エール」4話で裕一が初めて曲を付けた詩の作家です。「をがは」(小川)という詩でしたね。

竹久夢二について

竹久夢二は、美人画で有名な大正時代の画家で、詩、歌謡、童話なども書きました。当時流行った『宵待草』の詩は夢二が作ったものです。多くの女性との恋愛遍歴でも有名で、たまき、彦乃、お葉は「夢二をめぐる3人の女性」と言われています。

大正時代は短いが激動の時代

大正時代は1912年7月30日〜1926年12月24日の15年です。明治と昭和に挟まれた短い時代でしたが、激動の時代と言われています。

第一次世界大戦に列強の一員として勝利し、文明開化以来の工業化も行き渡り、鉄道・金融・流通、また新聞や書籍といった文化も発展しました。「大正デモクラシー(民本主義)」が起こり、一般民衆や女性の地位向上も進み、大衆文化や消費文化が花開きました。しかしこれは都会に限ったことで、地方の農村部は近代化に取り残され、明治初期と変わらない封建的な文化が残っていたそうです。

1923年(大正12年)9月1日に起こった関東大震災で東京地域が大きなダメージを受け、大正デモクラシーも中断、その後昭和の時代へと向かいます。


まとめ

「エール」第5回はいよいよ裕一の音楽の才能が開花していくのが分かる回でした。好きな音楽のことではいじめっ子にも向かっていく真剣な裕一。そして大変な家庭環境の中にいながらも裕一のことをよく見て必要な時は助けてくれるガキ大将鉄男。これからの2人の関係にも注目したいですね。

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