朝ドラ「エール」23週では池田(北村有起哉)と裕一(窪田正孝)はラジオドラマ「君の名は」の制作を始めます。
社会現象ともなったラジオドラマでしたが、どんな内容だったのでしょう?
のちに映画版が作られ、こちらも大ヒットしました。
「君の名は」のラジオドラマと映画のそれぞれについて、真知子巻きや結末も含めて見ていきたいと思います。
目次
「君の名は」はどんなドラマ?
『君の名は』(きみのなは)は、もともとは1952年から1954年にNHKラジオで放送されたラジオドラマです。
ラジオドラマ
こちらから、実際の放送の一部が聞けます ↓
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009060096_00000
当時のラジオドラマは生放送だったため、BGMのオルガンは、古関裕而さんがその場で演奏していたそうです。
「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」
というナレーションがラジオドラマの冒頭に毎回挿入されていました。
制作・出演者
菊田一夫が脚本を書き、古関祐而が音楽を担当しました。
主役の2人は後宮春樹(あとみやはるき)を北沢彪(きたざわ ひょう)が演じ、氏家真知子(うじいえまちこ)を阿里道子(あり みちこ)が演じています。
他に古川緑波(古川ロッパ)、七尾伶子などが出演していました。
人気が出るまで
菊田は「鐘の鳴る丘」で戦災孤児の話を書いたので、今度は大人の戦争ドラマを書こうとしたのです。
始めは「人々の戦争体験を主題に」戦後の社会が生んださまざまな問題を中心に描いていました。
この時は人気がそれほどなかったのですが、真知子と春樹とのすれ違いの悲恋を描いたところから人気が出始めました。
菊田は、社会派ドラマよりもメロドラマが人気を取れるとこの作品で知ったそうです。
「番組が始まる時間になると、銭湯の女湯から人が消える」といわれる逸話があります。
これについては松竹の重役であった野口鶴吉が宣伝用に広めたという説もあるそうです。
本当だとしたらすごい手腕ですね。
映画
映画は3部作られました。3部作の総観客動員数は約3,000万人の大ヒットとなりました。
主役の氏家真知子を岸惠子が、後宮春樹を佐田啓二が演じました。
後宮春樹役の佐田啓二さんが素晴らしいイケメンです。中井貴一さんのお父様ですね。
交通事故によって37歳で亡くなっています。本当に惜しいです。
真知子役の岸惠子さんもとても綺麗です。
お2人とも昭和の大スターですね。
第1部あらすじ
昭和20年5月24日、東京大空襲の夜に数寄屋橋の上で互いの命を助け合った若い男と女。ふたりは名も明かさず、「もしも生き延びていたのなら、半年後の11月24日の夜、この橋の上で再会を…」と、約束を交わし別れる。時がたち約束の夜、男は待ち合わせ場所へ。しかし、女は無理解な縁談を強いられ、遠く佐渡ヶ島にいたのだった。幾多の障害にあいながらも、互いに想いを絶ちきれず、それから1年後の11月24日、ふたりは再会し名乗り会うことに。男は春樹、そして女は眞知子。だが眞知子は、明日は人の妻になる身であった。真実を打ち明けられた春樹は…。
引用:Amazon.co.jp
第2部あらすじ
めぐり逢いの東京、情熱の鳥羽、そして別離の佐渡へとさまよったふたりの純愛。この第2部では雄⼤な北海道へと舞台は移り、眞知子と春樹の波乱のドラマはなおも続いていく。⼼ならずも他の男と結婚してしまい、子を宿してしまった眞知子。それを知った春樹は、傷心を抱いて北海道へ。雄⼤な⾃然を相⼿に牧場で働く彼は、そこでアイヌ娘・ユミに出会う。ユミは眞知子とは正反対の情熱的で大胆な女。アイヌ人の婚約者がいながらも、春樹を熱愛するのだった。一方、春樹を忘れられない眞知子は、たび重なる気苦労から流産。春樹を求めて北海道へと旅立つ。激しい愛の闘いがあることも知らずに…
引用:Amazon.co.jp
第3部あらすじ
北海道での再会もつかの間、アイヌ娘・ユミの激しい春樹への愛、そして眞知子の夫・勝則の非情な仕打ちに、再び引き裂かれてしまった眞知子と春樹。しかし、東京に連れ戻された眞知子は、勝則との離婚請求の調停を家庭裁判所に申し出て、ひとり九州雲仙へと。春樹が東京に戻ったのは、不遇にも眞知子が雲仙へと旅立った直後のこと。そんなある日、春樹の勤め先に勝則が姿を見せ言い放った。「眞知子がおまえ以外の男と結婚するのなら、離婚してやってもいい」と…。
引用:Amazon.co.jp
Amazonでのコメント ↓
「戦後の銀座の風景や、当時の生活、風俗が興味深い。
さすが、巨額の制作費を投じただけあって、スケールも大きかった。
女の子たちの服が一周回って可愛いです。
いまなら上映できない危険なワードがゴロゴロ出てくるのも面白いです笑」引用:Amazon.co.jp
↑ というコメントがありました。いまなら上映できない危険なワードって何でしょう?気になりますね。また、当時のファッションも見てみたいです。
老人施設での上映用に購入した、というコメントもいくつか見かけました。おばあさまへのプレゼント用、というものも。
この映画は3部を合わせると6時間にも及ぶ大作でした。そのため総集編も作られました。2時間ちょっとにまとめてあります ↓
眞知子巻きや結末についても
ラジオドラマの人気を受けて映画『君の名は』が松竹で映画化されます。
眞知子巻き
主役の氏家真知子のストールの巻き方が「真知子巻き」と呼ばれて女性の間で流行しました。
主演の岸惠子さんが北海道でロケの合間に現地の寒さをしのごうと、私物のストールを肩から一周させ、耳や頭をくるんでいたのが、実際の撮影時にも使われることになり、「真知子巻き」と呼ばれて人気になったのです。
結末は?
※ネタバレなのでご注意ください。
真知子の夫・勝則は、「真知子がおまえ以外の男と結婚するのなら、離婚してやってもいい」と言います。
勝則は真知子と別居している内に、お金持ちの若い娘と知り合い結婚の話があったのでした。
娘は「結婚したらお義母様は別のところで暮らしてくださいね」と同居を拒否。
姑は真知子に嫁いびりをしていたのですが、その言葉を聞いて真智子に帰ってくれと頼みに行きます。
しかし、真知子の心はすでに春樹のもとにあったため断ります。
そして真智子は勝則と離婚します。
春樹と真知子は晴れて結婚というときに真知子が突然病に倒れます。
悲劇の結末か!?と思えばそうではなく真知子は快復して春樹と結ばれるのでした。
長い長い紆余曲折の上でのハッピーエンドでした。
まとめ
なんとももどかしい春樹と真知子の物語でしたね。
今回は朝ドラ「エール」で池田二郎が裕一と制作したラジオドラマ「君の名は」について、また映画版についての紹介でした。
佐田啓二さんと岸恵子さんの映画版は、Amazonプライムビデオからご覧になれます ↓
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