新型コロナによる外出禁止令でDVが増加した理由と日本の状況や解決法まとめ

 

新型コロナウイルス感染症の流行で、ヨーロッパなど外出禁止令が出される国が増えています。それに伴いDV(家庭内暴力)が増えているそうです。なぜなのでしょうか。また、日本の状況や解決の手がかりについてもまとめてみました。

新型コロナによる外出禁止令でDVが増加したのはなぜ?

ANNニュースより

「ヨーロッパでは多くの国が都市を封鎖し厳しい外出制限措置をとっているが、その影響で家庭内暴力の増加が深刻な問題となっている。長い時間、自宅にこもらなければならないストレスが一因とみられ、各国は専用の電話相談窓口を増設するなどして対応にあたっている。」

日本では外出制限令まではいっていませんが、自粛要請が出されています。27日には「花見を控えて」と公園に行くこともままならぬ状況になってきました。テレビで見る渋谷のスクランブル交差点の人の少なさに驚きます。

となると、ほとんどの人はどこにいるのでしょうか。会社員なら会社が終わればちょっと一杯、ができにくくなり、家に帰るしかなくなります。帰れば休校中の子どもとパートが無くなり家で子供と過ごしてイラついている奥さんが待っています。

家族それぞれが部屋を持っていて、自分一人の時間が確保できればまだいいですが、そうでなければ狭い家の中で四六時中家族と顔を突き合わせなければなりません。それも先の見えない感染症の広まりにおびえながらです。

こんな状態ではいつもなら見過ごせることが見過ごせずに、家族観で緊張が高まり暴力になったりすることは容易に考えられます。

今まである程度の距離があって保てていた関係が一気に崩れることもあるでしょう。しかし家族内での暴力だけは何としても避けたいものです。


日本でもすでに被害は起きている

東日本大震災の時には「絆」が話題になりましたが、その陰で多くの暴力があったと言われています。今回もいろいろな制限が長引けば同様のことが起こるでしょう。

不安によるDVを防ぐには

臨床心理士の信田さよ子さんが信濃毎日新聞に寄稿した記事が参考になると思います。

それによると、

・まず、自分が不安に押しつぶされそうだと認めること。これは敗北でも恥でもなく、状況への正常な反応だ。

・不安こと正常だととらえて、そのエネルギーを安全に方向づけ表出を図る

と言い、例として東日本大震災で被災した女性の例を挙げています。女性は当時給水車の長い列の前後に並ぶ人たちとのたわいもない「おしゃべり」と愚痴を言い合うことが救いだったそうです。

不安エネルギーの最も安全な表出としておしゃべりを挙げています。ただ、これは言いっぱなし、聞きっぱなしのような形が望ましく、回答や批判は逆効果だと思われます。また、SNSも有効なツールになると述べています。日記に思いをぶつける、独り言を言う、などもいいのではないでしょうか。

しかしどうしても暴力をふるいたくなるならば電話相談、カウンセリングや心療内科など相談機関にかかるべきだと思います。

信田さんはさらにこのように述べています。

「先の見えない不安に襲われながら「成熟した大人である」ことはどんなことかを、日々問われている気がする。とにかく不安に耐えながら生活すること、不安エネルギーの方向を弱者に向けず、決して攻撃や暴力、差別といった表出をしないこと。それが大人の責任ではないかと思う。」

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