NHK「素顔のギフテッド」の再放送を見た感想と、日本での状況と問題点についても

3月12日にNHKで放送された「素顔のギフテッド」が3月15日に再放送されました。

ギフテッドについては、2019年8月28日(水)にクローズアップ現代で「知られざる天才 “ギフテッド”の素顔」という番組が放映されました。

その時に初めて「ギフテッド」という言葉を知り、彼らの知られざる苦労についても知りました。

ギフテッドとは

一般には「130を超えるIQスコア」を持つ人を「ギフテッド」と定義する例が多いようですが、番組では「IQ130以上、もしくは先天的に突出した様々な能力・才能をお持ちの方」をギフテッドと定義しているそうです。

ギフテッドは、日本に約250万人いると言われています。

ギフテッドの生きづらさについて

“人間関係のストレスから体調を崩した。”

“「はみ出し者」的なレッテルを貼られてしまう。”

“ほぼ9年間不登校。”

など、ギフテッドの9割近くが、何らかの生きづらさを感じているのだそうです。

特に同じ時間にみんなと同じことをしなければならない学校生活で、周りと合わないことが多いようです。

3月12日(3月15日再放送)の放送「素顔のギフテッド」

今回は6人のギフテッドが出演していました。

全て男性なのが気になりますが、女性にギフテッドがいないかと言うともちろんそんなことはなくて、単に出演するのを避ける人が多かったようです。テレビに出ることで注目されるのは覚悟が必要という事でしょう。また、女性でギフテッドであることがまだ日本の社会で容認されにくい状況という事もあるのかなと思いました。

今回の6人について

1.11歳男子 

小さいころから数字に興味を持ち、今は大学教授など数学愛好家が集まる勉強会に参加し、自分の研究を発表。
他にピアノ(8歳でトリニティカレッジロンドン・グレード8-英国音大入試相当レベル合格)や英語(10歳で英検1級合格)でも才能が人並み外れている。学校には行っていないが、周りとの協調はできている。お父さんは始め普通に学校に行ってほしいと思っていたが、今は学校に行かせることが彼にとっては押し付けになってしまうと、行かなくても良いという考えになった。

2.IQ140 7歳男子

漢字・絵・元素記号など興味があれこれ。スマホに集中しすぎてやめられない。集団行動が苦手なため学校でトラブルが多い。校長室に息抜きに行くことも。お母さんは彼の特性と付き合いながら接するすべを模索している。

3.30代男性 大学教員

石油に代わるエネルギーの開発を研究。騎士道にも興味があり、翻訳書も出す。ウイーンにあるIAEA(国際原子力機関)に単身赴任して新入社員として働くことが決まっている。日常生活ではスーツしか持っていない。寝るときもワイシャツにズボン。こだわりは強いけれど困ったことはない、と奥様。

4.IQ173の20歳 

小さいころから絵画や建築が好き。東京芸術大学に入学するが奇想天外な行動で半年で退学に追い込まれる。その後上野公園の裏塀の汚れを使ってパンダの絵を表現するも1週間で消されてしまい、その頃から創作意欲を失い、今はアルバイトをしながら生活。

 

5.心理カウンセラーとそこに通う中学生

二人ともギフテッドで、心理カウンセラーは小さいころから言葉に興味を持ち、広辞苑を枕にして寝ていた。大学卒業後職を転々として、今の職に落ち着く。自分と同じような子の支援をすることで、自分自身を肯定できると言っていた。中学生は最近学校に生きづらい悩みを話していた。5年生の時に学力が高いことで全国表彰されたことがある。最近はプログラミングに興味がある。

6.IQ161以上 59歳男性

大手電機メーカーでパソコンのマーケティングの仕事をしていた。仕事にのめりこみ、働き過ぎでうつ病に。話すのが好き。早期退職して今は家事に生きがいを感じている。

日本におけるギフテッドをめぐる状況と問題点

制度としての受け皿

例えばアメリカにはIQ135以上の子どもたちだけが入る学校があるそうです。

日本では3年ほど前にソフトバンクの孫正義会長がギフテッドの居場所として「異能」という、異なる能力を持つ若者を支援する財団を財団を立ち上げました。すば抜けた才能を持っていることが認定されれば、進学や留学の費用を支援。研究施設も自由に利用ができる。起業も応援するというものだそうです。

他にも文科省の事業でSSH(スーパーサイエンスハイスクール)など、優れた能力を持つ子に向けた取り組みを行っています。詳しくはこちら

また、飛び級制度を設けている大学もあります。これは高校に2年在学していないといけないなどの条件があり、もっと早い段階での飛び級制度が必要と思われます。

海外留学

日本ではまだまだギフテッドを受け入れる環境がほとんどないため、海外に留学する人もいます。

例えば小学6年生の檜垣大峯くんは小5でカナダ留学を決め、現地の公立小学校に通いながら、生物学などの分野は大学の授業に出て学んでいるそうです。留学してからの様子をこのように話しているという事でした。

「こんなにいい環境があるんだ。どんどんチャレンジが出てくるような教育システムがあるんだっていうことを思いながら、とても充実した毎日を過ごせていると実感します」

2E(ギフテッドと発達障害の両方を持っている人)

2Eについては触れられていませんでしたが、今回の放送でも何人かは2Eと呼ばれる、ギフテッドと発達障害の両方を持っている人だと思います。発達障害があると周りに合わせることが極端に難しく、自分の興味を遂行することが第1なので、それができない環境だと生きづらさを抱えることが多そうです。

本人も周りも大変だと思います。最近発達障害のことが取り上げられることが増えてきたのは良い兆候で、あれこれ折り合いをつけて生きていかなくてはならないつらさを周りが分かってあげるだけでも違うと思います。

感想・まとめ

テレビでの放送という形で、ギフテッドについて多くの人が知ることはとてもいいと思いました。周りにもしかしてギフテッドかも?と言う人がいたら、その人のことを少しでも分かってあげられるでしょう。

特にご両親や学校の先生はご自分のお子さんや生徒さんがギフテッドだったら、周りの子に合わせようとせずに、抜け道を作ってあげてほしいですね。誰かが味方してくれることで本人の気持ちが大きく違ってくると思います。

社会の寛容さが必要だし、ギフテッドが生かされる環境を作ってあげることが必要だと思います。そうしないと日本の損失になってしまうのではないでしょうか。

ただ、最後に登場した方が言っていたことももっともだと思います。この方は59歳の男性で、今買い物で自分の気に入ったものを見つけるのが趣味になっているのだそうです。

「ギフテッドだったらもっと世のため人のためになぜその能力を使わないんだと責められる可能性もあるとは思うんですね。それはそうじゃないと思うんですよ。それは『個人の幸せ』というものがありますんで。パチンコや買い物も含めて幸せな人生を送れていると思っています」

ギフテッドの才能を活かさなくては、と傍が考えるのは大きなお世話で、ギフテッドを含めて誰もが幸せに生きるというのが一番大事なことなのではないかと思いました。

進行を務めた「のんさん」が相変わらず可愛くてほんわかしました。

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